ドイツの妖精コボルト。
コバルト鉱石を作り出したとされる、小さな魔法使いです。
今回は善と悪、諸説ある彼らについて解説します。
(目次) 1.姿形 2.由来 【閑話】嫌われ物のコバルト 3.能力考察
1.姿形
コボルトは、英語でゴブリンと訳されることが多いため他の小人とよく混同されます。
- ゴブリンと同様に、いたずら好きな悪い小人
- ホブゴブリンと同様に、家事を手伝う善い小人
- ノームと同様に、山中に住む地の精あるいは小人
などなど。
ゴブリンと似たモンスターと考えられています。
現代創作では犬の頭をもつ亜人の姿として描かれますが、これはゲーム「ダンジョン&ドラゴンズ」の影響によるもの。
伝承や民話に登場するような、本来のコボルトの姿は不明です。
2.由来
コボルト(コボルド)は地に住む小人、あるいは妖精を指すドイツ語です。
16世紀頃のドイツにおいて、コバルト鉱石はコボルトが人を困らせるために魔法で鉱石を腐らせたものだと信じられていました。
当時コバルト金属は加工が難しく、使い道がなかったのです。
そのためコボルトは、邪悪な小人というイメージが強くなってしまいました。
【閑話】嫌われ物のコバルト
元素番号27番の金属コバルト。
産出量は少なく、単体ではほとんど用途がありません。
そのため昔の鉱夫は腐った金属としてコバルトを、そして原因とされていたコボルトを嫌っていました。
今でこそコバルトブルーと呼ばれる顔料の材料として知られていますが、鉱石は赤茶色ですし、精製してもコバルト単体だと実は銀色をしてます。
他の物質と化合物になることで青のほかにも緑や黄色に変化するのですが、このことが判ったのは1802年と比較的最近。
それまでのコバルトは、本当に使い道の無い困った金属だったのです。
しかし現代においてコバルトは、磁気材料や合金素材として見直されています。
切削工具の刃や飛行機の表面コートなど、重要なところで活躍しているのです。
コボルトが魔法をかけたのは、本当に人々を困らせるためだったのでしょうか。
3.能力考察
コボルトが登場するのは主に童話で、その多くは人をだますモンスターとして登場します。
このあたりはゴブリンと同じですね。
コボルトは小人であるため直接的な戦闘力は低いですが、鉱石に魔法をかけることが出来ますから、魔法や鉱石に詳しい高い知性があることがわかります。
また迷路のような坑道や暗い地下を移動することから、地下で迷わない方向感覚と暗視能力があるとも推測できます。
狭くて死角の多い坑道であれば、人間相手でも有利に戦えるでしょう。
坑道で道に迷ったとき、善いコボルトに出会えれば心強い味方。
悪いコボルトに出会ったならば、恐ろしい敵になるかも知れません。