2つの頭をもつ犬オルトロス。
ゲーム「ファイナルファンタジー」で登場し、タコとして覚えてしまった人も多いのではないでしょうか?
神話ではあっさり倒される彼ですが、母と結婚、兄弟や子が次々に殺され、その犯人と母が不倫する・・・。
実生活はドロドロです。
(目次) 1.姿形 2.由来 (1)名前と家族 (2)ヘラクレスとの戦い(神話のあらすじ) 3.能力考察
1.姿形
オルトロスは2つの頭を持つ黒い犬。
蛇の尾を持ち、背中からも7匹の蛇を生やしています。
現代では蛇の要素を省略されがちですが、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズでタコとして登場するのは、おそらくこの蛇のせい。
蛇の数は「尾に1匹 + 背中に7匹 = 8匹」タコ足の数と同じですよね。
(違っていたら、ゴメンナサイ)
2.由来
(1)名前と家族
名前の由来はギリシャ語のオルトロス(速い)あるいはオルトス(真っ直ぐな)。
父はギリシャ神話最強の怪物テュポーン、母は蛇女のエキドナです。
また、ケルベロスやヒュドラ、キマイラなど沢山の兄弟姉妹がます。
父のテュポーンはゼウスと戦い封印されるのですが、その後オルトロスは母エキドナと結婚して子供もできました。
しかし、子供たちはヘラクレスと戦い倒されてしまいます。
(詳細はエキドナを参照)
(2)ヘラクレスとの戦い(神話のあらすじ)
オルトロスは、母エキドナの兄弟にあたる3つの頭をもつ巨人ゲリュオンに従い、牛飼いのエウリュティオンと一緒に番をしていました。
しかし、そこにヘラクレスが牛を盗みにやって来ます。
ヘラクレスは、オルトロスの兄弟姉妹や子供たちを次々と倒してきた憎っくき仇。
オルトロスは仇を討とうと勇敢に闘いましたが、力およばず棍棒で殺されてしまいます。
助けに入ったエウリュティオンも、ヘラクレスには敵いませんでした。
これを見ていた別の牛飼いが、急いでゲリュオンに知らせます。
駆けつけたゲリュオンはヘラクレスに戦いを挑みますが、命を落としてしまいます。
なお、ヘラクレスがゲリュオンの牛を探している途中、エキドナに会って子供が出来て、その子がスキタイの王になったという伝承もあります。
オルトロスは、ゲリュオンのところに出稼ぎ出張中に不倫されたということですね。
ヘラクレスはオルトロスやゲリュオンと戦った時、相手がエキドナの夫と兄だと知っていたのでしょうか?
気になりますよね。
3.能力考察
オルトロスはその名の通り足が速かったのでしょう。
全速力で接近し、噛み付き、ねじ伏せる。警察犬や闘犬のような戦い方だったと想像できます。
またオルトロスの兄であるケルベロスは、毒草トリカブトの生みの親。
オルトロスの背中や尻尾からも蛇が生えていますし、毒をもつ可能性は高いです。
毒に冒されてしまうと、戦うこと、逃げることもままならなくなります。
オルトロスと戦う相手は、素早い彼に一度も噛まれないよう立ち回る必要があるのです。
しかし、そんなオルトロスの戦法もヘラクレスには全く通用しませんでした。
数々の試練をくぐり抜けてきたヘラクレスは、素早い相手も毒を持つ相手も、戦い慣れたものだったのでしょうね。